清明節の『東方美人』

ひさびさの「お茶」のエントリーです。

昨夏、ハワイでフレーバー・コーヒーにハマり、
以来お取り寄せまでして飲んでいたおかげで、
在庫の茶葉がなかなか減りません。

紅茶はともかく、日本茶と中国茶がイマイチ減らない。
なのに今日はもう清明節です。


清明節というのは、二十四節気のひとつで、
中国では墓参り、墓掃除の日です。どこでも祝日になってますよね。
沖縄でも「しーみー」と呼んで、
一家総出で墓参りし、ご先祖さんの前でお弁当を食べたりする風習があります。

しかし私にとって清明節といえば、新茶シーズンの到来を意味します。

高級緑茶の産地である中国浙江省抗州。
ここで清明節前に摘まれた茶葉は、「明前茶」と呼ばれて珍重されています。

d0005397_1941248.jpgとくに有名な西湖龍井(ロンジン)の明前茶は、
おどろくほどの高額で取引されます。
以前そういう明前龍井茶を、清水さんの舞台から
エイヤッと飛び降りる気分で買ったことありますが、
たしかに独特の甘い芳香と味わいがありました。
でもちょっとしか買えなかったので、
お大尽気分にはほど遠かった(>_<)。


ともあれ、清明節が過ぎると新茶の季節です。
日本茶も産地で茶摘みが始まります。摘んだらすぐに製茶です。
「中旬くらいから新茶の販売始めます」と、なじみの茶農家さんからも案内がありました。

そんなわけで、少なくとも封を切ったお茶は飲み切ってしまわねばと、
先月末あたりから積極的にお茶を飲んでいます。

今日は『東方美人』です。
これは台北の馴染みのお茶屋さんで求めたもの。
コンクールで賞をとる名人の作で、同じものが毎年英国女王に献上されています。

『東方美人』には別名がたくさんあり、『香檳烏龍(シャンピンウーロン)』とも呼ばれますが、
英国ではそれをもじって「シャンパン・ウーロン」とも呼ばれています。
この茶の香りの良さ、口当たりの良さを、もっとも良くいい表した名だと思います。

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しかし完全に手作り、無農薬のため、たくさんの生産ができない貴重なお茶です。
発酵は他の清茶烏龍より深く、水色は紅茶に近い。
味も清茶とはまるで異なる味わいで、爽やかで「蜜のような」と形容される甘さがあります。

そして不思議なことに、この『東方美人』は、
ウンカという小さな蛾の協力なしにはできないお茶なのです。

以前、台湾桃園県まで東方美人の茶園を見に行ったとき、
客家の茶農家さんに言われるままに茶樹をさっと手で払うと、
小さなウンカがパアッと飛び立ってビックリしたことがあります。

大事なウンカを殺してしまわないよう、東方美人は大切に育てられています。
もちろん摘むのも熟練したヒトの手で、一芯二葉、丁寧に摘まれます。

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まるで深窓の貴婦人のような『東方美人』ですが、
実は渋みもなく爽やかなので、ガブガブ飲むのに最適なんです。

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私はこういう一人用の茶器で、お湯を次ぎ足しながら楽しんでいます。
夏はヤカンに沸かした熱湯に茶葉をパッとひとつかみ投げ入れ、
抽出した茶を冷蔵庫で冷やして飲んでいます。

こういう贅沢の方が、黄金のように高価な龍井茶をちびちび飲むより、
私向きだなあという気がします。
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by Tamarind-Cafe | 2006-04-05 21:09 | お茶のある暮らし  

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