十六夜

家路をたどる道すがら、
ふと目を上げると、
路地の奥に、月が迷い込んでいた。
月は赤く、大きく、しかしどこかぼんやりと所在無げに、
あっちによろめいては電線にひっかかったり、
こっちに来ようとしては標識につっかかったりして、
なかなか路地から抜け出せないでいるようだった。
ふうん、月にもそんな日があるんだな。
おもしろいなと思った。
さっき、ベランダからのぞいてみたら、
月はなにごともなかったかのように、
高い空に白い顔してすましていた。
ちょっと欠け始めた十六夜の月。
by Tamarind-Cafe | 2009-05-12 01:00 | 徒然Diary









